今回は、弊社の可搬式豚衡機デジトンDGMをお使いいただいている「五十嵐ファーム」の社長・五十嵐一春様に、農場経営に関する想いや、デジトンDGMの使い心地などを伺った。

五十嵐ファーム様について

山形県鶴岡市にて、創業58年をむかえる農場。合計1600頭の豚を飼育しており、そのうち105頭が母豚。養豚の業務は3~4名の従業員が担当している。積極的にセミナー等に参加し、自身の農場経営に取り入れてきた。養豚の他にも、アスパラや米の栽培をしており、アスパラや米を豚の餌に、豚の糞尿を堆肥にと、循環型農業を行っている。

<功績>
平成29年 中央畜産会主催全国優良畜産経営管理技術発表会 最優秀賞・農林水産大臣賞 受賞
平成30年 秋の農林水産祭 日本農林漁業振興会会長賞 受賞
     ベンチマーキング 農場要求率2.59 日本第2位
令和元年 秋の褒章 黄綬褒章 受章

「小さい規模でもやればできる」
─ひとつひとつ、課題を着実に改善

 養豚に関する様々なセミナーやコンサルティングを受けて、計量の意義を理解されてきた五十嵐社長。10年ほど前、従業員が増えたタイミングで、収益性の向上が課題となり、計量機の導入を決意。
 収益性を向上させるには、「いかに豚を高い価格で出荷できるか」という側面と、コスト削減面との両方からのアプローチが必要だと語る。五十嵐社長は、自身の農場に足りない部分や遅れている部分を洗い出してひとつひとつ改善していった。


 たとえば、以前は市販の配合飼料を購入して与えていたが、現在は米やとうもろこしを使った自家配合飼料で豚を育てている。これにより、売り上げに占める餌代の割合が55%から35%まで下がったという。
 また、豚の品種に関しても改善を試みた。計量を始めた頃は国内の豚を買っていたが、あるとき、改良の進んだ外国産の豚の精液で人工授精し、生まれた豚を計量してみたところ、成長の速度が雲泥の差だった。
 可能性を感じた五十嵐社長は、その後3頭150万円でオランダから豚を輸入。安くはない買い物だったが、結果的に、3年後にはその母豚が経営を変えた。


 五十嵐社長は、「養豚は、餌の効率や値段、成長の速度など、様々なデータの組み合わせである」と語る。様々な改善を、具体的な数値をもって行ってこられたのも、計量しているからこそ。豚の体重から、いろいろなサインが見えてくるという。
 計量していなかった頃は、枝肉は60㎏台~70㎏台とバラつきが多く、平均で74㎏だった。きちんと計量している現在は、枝肉平均が79.5㎏でほぼバラつきがない。
 計量は、数ある作業の中でも、人手と時間がかかるものだが、五十嵐社長は「はかる価値がある」と、実体験をもって理解している。
 こうして、たゆまぬ努力で課題をひとつずつ改善した結果、「小さい規模でもやればできる」というひとつのビジネスモデルを示している。